FF考察

FFのナンバリング中心にあてもなく考えるだけ

12の主人公は?

タイトル通り、ヴァンってよく「空気主人公」って言われますよね。ストーリーにそこまで絡まない上にバルフレアは自分のことを主人公だって言ってるし。
そこら辺をぼんやり言語化してみた。
ちなみに只今RWをプレイ中です。これ、12のスタッフはほとんど関わってないし外伝だから繋がりはない、って公言されてるけど正史でいいんじゃないかなあ。ちなみに自分はスクエアが関わってれば全部公式、正史と捉えてます。展開が全然変わってる小説とかは別だけど。7のコンピレーションとかも矛盾も含めて最大公約数的に。評判の悪い10-2.5とかアルティマニアの小説とかも。

話を戻すと、12でヴァン(とパンネロ)が主人公でない、という話。
12のストーリーはヴァンの視点で語られていることは間違いないと思います。メタな話だけど基本的にヴァンは終始プレイヤーが操作できるからね。「ヴァンの視点で一つの歴史の変曲点を描いた作品」と言えるかなと。でもそれと、「ヴァンが物語の主人公である」というのは別問題。
12を「〇〇が△△する物語」とまとめるとこうなります。

・アーシェがラスラの死と向き合う物語

これが全体の軸。復讐者としてでも聖女としてでもなく、アーシェとして戦う決意を決め、そして自分の復讐心に都合よくオキューリアに作り出されたラスラの幻影を振り切る。死者は何も語らない。
もう一つの軸としては、

・ヴェインとシドがヴェーネスの手を借りて人間の手に歴史を取り戻そうとする物語

帝国サイドの行動方針の軸はこれ。そこに味方敵両方の大きな流れの肉付けをしていくと、

・バッシュとノアが紆余曲折の末和解する物語(全編)
バルフレアがシドの変貌の原因を追う物語(後半)
・ラーサーが兄を超える統治者の器を得る物語(ビュエルバから)
・ヴェインがラーサーを皇帝に据えるため策略する物語(全編)

といった感じ。
もちろんヴァンに関しても、
・ヴァンがバッシュへの誤解を解き、兄の死を消化する物語
とは言えるけど、それって本当に序盤の話で。アーシェがラスラの幻影を見続ける中、ヴァンは途中で吹っ切れてもうレックスの幻影を見ることもなくなってるし、そもそもレックスの幻影が復讐を煽ってくることもなかったような。バッシュがレックスを覚えていたこと、ガブラスによってバッシュのせいではないと確定したこと、そこまでで終わり。
よく考えるとパンネロの物語はほとんどないし、フランの物語は森のあたりで完結するので二人はもっと短いのだけど。ただパンネロはヴァンと一緒にいることが目的(本人にそこまで意識はないにせよ)、フランはバルフレアの「相棒である」という時点で12の物語よりもっと長いスパンの物語なのかもしれないなーとおもう。バルフレアとフランの初対面とか見てみたい。

ここでRWの話。RWでは、バルフレアは主人公を自称しない。ヴァンが「主人公なんだろ」と言っても「主役はお前だ」と言ってくるし、自らを「脇役」と言ったりもしていて。
なんていうか、RWからがヴァンの物語なんじゃないかなという感じさえしたり。あ、延々「物語」って言葉を使ってるけど、ゲーム自体のストーリーって意味ではなく、10の「これはお前の物語だ」「勝手で悪いけどさ!これが俺の物語だ!」みたいな意味での「物語」。
ヴァンが視点主であることを一回忘れて12の流れを俯瞰して見ると、ヴァンの存在ってそこまで大きくなくて。確かにヴァンの思いつきとかKY発言が道を切り開くことは多々あるけど、「アーシェやバルフレアの仲間A」っていうポジションというか。基本的にどこへ行くのも仲間の目的のためだし。ヴァンの目的のために行動するのってパンネロを助けにビュエルバへ、っていうとこまで。そこからはアーシェの目的のために行動することになっていく。ゲーム的には主人公だったかもしれないけど、「主役」としてパーティの行動方針を決める立場ではなかった。RWでは、チュートリアルバルフレアに連れてきてもらうという体裁なものの、そこからはヴァンがグイグイ引っ張っていく。もちろん12が年上ばかりのパーティで、RWはイヴァリースを出発する時点ではヴァンが一番年上?(トマジって何歳?パーティではないけど)というのも関係あるとは思うし、12は国家間の争いだからヴァンが引っ張ってもどうにもならないけどね(って思ったけど、10個前の主人公は一般人から救国の英雄になった人だった)。パンネロにも焦点が当てられるし、きちんと彼らの物語、彼らの時代になったんだな、という印象。
ぐだぐだしたけどこれが結論。
12はまだヴァンとパンネロの時代じゃなかった。RWで空賊になってからが彼らの物語。そういうことかな。